Iris Story
その世界には、沢山の色がありました。
『白』。
『黒』。
『紫』。
『赫』。
『蒼』。
『緑』。
色は、人々の価値を決めるモノでした。
世界には、存在してはならない色もありました。
昔、罪を犯し、存在することが赦されない色もありました。
昔、罪を犯した色を封印し、存在出来なくなった色もありました。
特別な色を持つ少年と少女は、旅をします。
この世界を知る旅を。
自身らの『色』の意味を知る旅を。
何故、人は差別をするのでしょう?
何故、人は価値をつけたがるのでしょう?
これは、少年と少女の、特別な『色』の物語――
『陰』と『陽』
昔々、世界を治めていたふたつの国の名前。
『陰』は罪を犯し、『陽』と『精霊』により封印されたモノのこと。
『精霊』
この世界に存在する、全てを司るモノのこと。
『過去』『未来』『現在』『火』『水』『風』…。
どんなモノにも、それを司る精霊がいるらしい。
司っていたモノが世界から無くなると、司っていた精霊も消える。